いったん肌トラブルが起きてしまったときの具体的な対処法としては、
- 体の洗いすぎや服による締め付けを避ける
- かみそり負けを防ぐ努力をする
- 皮膚の乾燥した部分に保湿クリームを塗る
- 部屋の湿度を50〜60パーセントに保つ
などといった方法が考えられますが、これでは根本的な解決にはなりません。起きてしまった肌トラブルを治すことも大事ですが、それより前に、肌そのものの
バリア機能や保湿力を高め、トラブルを避けるための方法はないでしょうか。うるおいのある美しい肌を保つためには、強い保水力のある
NMFとセラミド、そして
皮脂膜の三者の働きが正常であることが重要です。そのためには、肌全体が本来の弱酸性を保ち、炎症を起こしづらい状態にすることが必要になってきます。それにより、
ターンオーバーのリズムが整い、きちんとしたバリア機能をもった角質層がつくられるからです。みなさんは「ホメオスタシス」という言葉をご存知でしょうか?
ホメオスタシスとは「恒常性」という意味で、体が外部環境の変化にうまく対応して、体調を保つことをいいます。たとえば肌ならば、寒さや乾燥、年齢による衰えなどに対しても負けずに、肌がみずから活性しようとする力を発揮して、うるおいやハリのある良好な状態を維持することと思えばいいでしょう。こうした肌のホメオスタシスをバックアップするためには、やはり善玉の皮膚常在菌の力が欠かせません。なぜなら、肌を健康な弱酸性に保つこと、炎症を起こす菌の繁殖を妨げること、保湿とバリアの機能をもつ皮脂膜を形成することなどは、もともと皮膚常在菌がもっている働きだからです。