もしも、生命維持に欠かせないアミノ酸が不足してしまったら、体にはどのような影響が出るのでしょうか?
それにはまず、アミノ酸が私たちの体にもたらすよい影響を知る必要があります。アミノ酸には、さまざまな効能がありますが、主なところをあげてみましょう。( )の中は、その働きをするアミノ酸の名前です。
- 免疫機能強化(アルギニン、グルタミン、ヒスチジン、アスパラギン、アスパラギン酸)
- 肝臓機能強化(バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、アラニン)
- 胃腸修復(グルタミン)
- 腸の消化吸収促進(リジン)
- 筋肉強化作用(バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン)
- 疲労回復(リジン、アルギニン、アスパラギン酸)
- 知力・脳機能向上作用(バリン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、グルタミン酸、セリン)
- 脂肪燃焼促進(リジン、アルギニン、アラニン、プロリン)
- 老化防止作用(アルギニン、グリシン、グルタミン)
- 肌の保湿、再生機能(プロリン、アルギニン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、グリシン)
このようにたくさんの働きを、アミノ酸は私たちの体内で行ってくれているわけです。ですから、20種類のアミノ酸のうちいくつかが不足すると、今度は逆に、不足した部分の働きが悪くなり、トラブルが起こってしまうのです。
なかでも、目に見える部分として、アミノ酸不足の影響をはっきり受けるのが、「肌」です。
たとえ年齢の若い女性でも、不規則な食生活を送ってアミノ酸不足が深刻になると、肌の保湿、再生機能が衰えてしまい、カサカワになるドライスキンや肌荒れの症状が現れてきます。また、アトピー性皮膚炎や花粉症が原因で肌が乾燥したり、荒れている人でも、健康な人に比べると肌のアミノ酸量が低下しているというデータもあります。
このようにアミノ酸は、「肌が本来必要とする保湿剤」なのです。そのため、デリケートな肌の人ほど、不足している量を補うことが大切といえるでしょう。